2013年12月12日木曜日

【8tracks&femalepop】空からこぼれたプレゼント

私の誕生日は12月12日で、フルネームも含めてwikipediaに載ってるこの辺の公式設定ってどこ初出なの? と思われる方もいるかもしれませんが、「Aチャンネル.ZIP」というムック本に各キャラクターのプロフィールが載っています。今だとまんだらけとからしんばんみたいな中古を扱ってる店でないと見つからないかも……と思う一方で私が新品で買ったのも去年の夏くらいのとらのあなだった気がするので意外とそういう小売店にはまだ売れ残りがあるかもしれません。

そんな話はともかく、12月12日といえばまさに今日なわけで、原作一巻を読むとるんちゃんがケーキ箱を落とすデモンストレーションをしたり、みんなで学校でケーキを囲んで記念写真撮ったり、「ケーキはかわいいなぁ…」という名言が生まれたりしています。
Aチャンネルはずっと同じ一年の間にあった出来事をぐるぐると季節を巡回して描きながら連載も五年が経過し、先月号で六年目に入りました。
春の出来事、夏の出来事、短期間にどれだけのことが起きてるんだ、というのはまんがタイムきらら系列の長期連載作品には禁句ではありますが、作品内で年末年始以外の日付を特定できる数少ないエピソードが初期に描かれた私の誕生日です。毎年この日が来る度に「X度目の16歳だなあ」と感慨深く思ってしまいます。(くれぐれも16歳とXXXX日とかカウントしないようにしないでください)
そういえばユー子が写真撮るとき絶対にブレるという定番もこの日のエピソードが初出でしたね。

さて、8tracksのお話ですが、今回は自分の誕生日に向けてというか、そんな意図も踏まえて新しいものからちょっと古めのもの、アニソンもそうでないものも関係なしに「femalepopなんだけどあんまり雰囲気重すぎなくてライトでソフトな感じのやつ」というのをいっぱい詰め込んでしまいました。長いよ!





01.「君のままで」 azusa
02.「マーブル」 中島愛
03.「センチメンタルラブ」 みみめめMIMI
04.「ユニバーページ」 三森すずこ
05.「Let Me Be With You」 ROUND TABLE featuring Nino
06.「愛しいかけら」 メロキュア
07.「ユキトキ」 やなぎなぎ
08.「空とキミのメッセージ」 ChouCho
09.「Hazy」 sphere
10.「空からこぼれたstory」 marble
11.「ポケットを空にして」 坂本真綾
12.「海と少年」 大貫妙子
13.「懐かしい宇宙(うみ)」 新居昭乃
14.「i Love」 azusa
15.「ひとつだけ」 矢野顕子
16.「Fly Away」 THYME
17.「スイートホームソング」 ゆうまお
18.「虹色ポケット」 清浦夏実
19.「Hello!」 中島愛

1と14のazusaさんはどちらも「アマガミSS」というアニメの主題歌でした。
「i Love」はシンガーソングライターとしてのazusaさんのデビューシングルでもあり、以降キャラクターソング(EDコレクションアルバムに入ってる「stories」という曲。セルフカバーもされています)、続編「アマガミSS+」ではOPEDともに歌われていて、思いの外長い縁になりました。
azusaさんのシングルのカップリング曲、特に今回取り上げた初期二曲のカップリングはアレンジャーの趣味(編曲はazusaさんご自身とサポートに誰か入るかたち)なのかジャズ色が強くて、azusaさんのソフトなボーカルと合わせて聴くと独特な雰囲気があって面白いのでオススメです。(アルバムには収録されていません)いずれ機会があったらそちらの方も取り上げてみようかと。

2と19の中島愛さんはこちらも両方とも「輪廻のラグランジェ」の曲です。「Hello!」が最初のEDで、「マーブル」がセカンドシーズンのOPですね。「Hello!」はROUNDTABLEの北川勝利さん提供曲です。今回ちょっとROUDTABLE多くなっちゃいました。一方の「マーブル」はRasmus Faberさんの提供曲で、それまでマクロス関係などの歌で知られていた中島愛さんですが、以降は「こばと」「たまゆら」などの作品でしっとりとした曲を歌われていました。「マーブル」と「TRY UNITE!」(輪廻のラグランジェ初期OP)のRasmus Faberさん提供曲では本格的なエレクトロ方面に初めて踏み込んだのではないでしょうか。
その後はゲーム「ガンスリンガーストラトス」の主題歌「Transfer」livetuneのkzさん提供曲)なんかがこの方向性です。

3は「君のいる町」の主題歌で、みみめめMIMIというのはシンガーソングライターのユカさんとイラストレーターのちゃもーいさんのユニットらしいです。
作詞作曲はもちろんユカさんなのですが編曲の湯浅篤さんという方がClariSの「コネクト」「ルミナス」「カラフル」といった「魔法少女まどか☆マギカ」関連を始めとする様々な曲や、もっとポップな方向に行くとYUKIさんの曲なども多く手がける(「JOY」など)アレンジャーのようで、そうと知るとなるほどなあと思えるものがあるかもしれません。
ところで、例えばボーカロイドのように、自分ではなく何かのキャラクターに仮託して世界観を構築するという音楽のあり方は近年の日本の二次元文化と結構親和性があるのではないかと思います。ちゃもーいさんのイラストかわいいですし、そのビジュアルで作られたPVも強力にイメージを固めていると思います。



ところで音楽集団の中に曲ではなくイメージ・パフォーマンス面で参加する、というメンバーがいることはたまにあることのようで、アニソンに近い分野ですとOLDCODEXのペインターYORKEさんですとか、かなり古くなりますがゲルニカの太田螢一さん(作詞も担当)や、更に遡るとKing CrimsonのPete Sinfield(作詞と照明を担当)なんかもその系譜かしら、と思ったりします。


この調子でやっているとものすごく長くなっちゃうのでもうちょっと省力していきます…

元々、今回のミックスは最近になっていまさらのように良さに気づいてしまってずっと聴いてるChouChoさんの「空とキミのメッセージ」(「翠星のガルガンティア」ED)を中心に据えて何かできないかな、と考えていて、まずはアレンジの似てるスフィアの「Hazy」(「花咲くいろは」前期ED)とセットにすることを決め、その二曲の雰囲気に近いものを最近の曲の中から選んで出てきたのがみみめめMIMIの「センチメンタルラブ」と三森すずこさんの「ユニバーページ」(「アウトブレイク・カンパニー」OP)でした。

この四曲の方向性を核にして、例えばROUNDTABLE feat.Ninoの「Let Me Be With You」のような渋谷系とも言われるソフトロック方向があっていいのではないか、それが許されるのなら元シュガーベイブのメンバーである大貫妙子さんや、あるいは矢野顕子さんといったテイストの女性ボーカリストのライトな曲があってもいいのではないか、という感じで広げていきました。
大貫妙子さんについては最初は勘で「意外と合う曲調多いかも」と候補を上げていったんですが、そういえばちょっと前に「たまゆら~もあぐれっしぶ~」に「はじまりの海」という曲を提供しています。(ボーカルは坂本真綾さん)
たまゆらという作品では他のシリーズでも松任谷由実さん大江千里さん尾崎亜美さんといった方々が曲を提供しています。
この作品を特別視せず、今のアニメにこうした方々の音楽を取り込む懐があるとしたら、裏を返せば彼彼女らのオリジナルの曲の中にも、アニソンと並んで聴いてみて違和感のない世界観があるのではないか、とも思い、大貫妙子さんの「海と少年」と矢野顕子さんの「ひとつだけ」(ピアノバージョン)を取り入れました。(そういえば矢野さんはアニメ関係だと「ホーホケキョ となりの山田くん」の主題歌を担当されていましたね)

当初は新居昭乃さんもこの枠にしようかと思ったのですが昭乃さんのオリジナル曲は明るめの曲調(例えば「Reve」「New World」など)なんかでもちょっと重たさというか繊細さが強すぎるなあ、と思ったので、「KURAU Phantom Memory」の主題歌「懐かしい宇宙(うみ)」を選びました。新居昭乃さんのレパートリーの中でも最もポップな曲と言えるのではないでしょうか。保刈久明さんらしいアレンジです。

その他でとりあげたものについて。

メロキュア「愛しいかけら」は「円盤皇女ワるきゅーレ」の主題歌。このアニメについては「Agape」という曲がよく話題になるようですが私は最初の方をちらっと見たことがある程度なのでそっちについてはよく知らず、ポップな映像とともにOPのこの歌が強く印象に残っています。(あと劇伴が川井憲次さんで、変身シーンの曲がやたらかっこよかったような気がします)
イメージで候補に挙げておいてあらためて聴いたらイントロの右のほうで鳴ってる激しい吐息とかちょっと攻撃的なアレンジで驚きました。甘いウィスパーボイスと尖ったアレンジのアニソンというのを聴くうえでやっぱり岡崎律子さんというのは外せない線のようです。(先の「Happy? Go! Lucky Girl!!!」というミックスに上げた「サクラサク」とか)

marble「空からこぼれたstory」は「名探偵ホームズ」(登場人物が犬のやつです)の主題歌だったダ・カーポの曲のカバーです。
marbleは「うた種」というアニソンカバーミニアルバムを発表していて、その中には今回のラインに近い坂本真綾さんの「プラチナ」(「カードキャプターさくら」OP)、ランカ・リー(CV:中島愛)さんの「星間飛行」(「マクロスF」挿入歌)などがあったんですが、あんまり近寄りすぎてもおもしろくないなあというのと単純にこの曲好きなので入れました。名探偵ホームズは古いアニメですが、CSのアニメチャンネルでよく再放送されてますし、宮﨑駿さんが演出した劇場版(これをエピソードの一部に取り込んであらためてTVシリーズが作られたようです)なんかはレンタルショップでもジブリのコーナーに置かれてたりするので、案外聴いたことある人少なくないのでは?という気もします。(劇場版は見たことないので主題歌も同じだったかは知りません…)
同アルバムでは他にも「ブルーウォーター」(「ふしぎの海のナディア」OP)「ひみつのアッコちゃん」「夢色の恋」(「みつどもえ」ED)「violet」(奄美録音版ということなんですが、「うみものがたり」最終回のOPに使われたバージョンだったでしょうか?)といった曲をカバーされており、なかなか聴き応えのある企画盤です。

THYMEの「Fly Away」は「魔法遣いに大切なこと~夏のソラ~」の主題歌です。小林治監督の趣味がよく出た下北沢や中野の写真を取り込んだ背景なんかも印象的なアニメでしたが、北海道の農場から東京へと向かう主人公ソラの旅立ちのテーマとしても効果的で、絵とともに記憶に残るOPでした。(動画は残念ながら見当たらなかったのでDVDとかで借りてみてください)
THYMEは他にも初代「ToLOVEる」の主題歌「forever we can make it!」でもアニメとは関わりがあったのですが、そちらはちょっと今回の狙いより激しすぎるのでまた他の機会に。こちらも「ToLOVEる」に期待される色気と粒子の粗い印刷のような水玉調ハイコントラストの止め絵が印象的で、「ああこれオシャレだなあ」と思いながら見ていました。(ちなみに二期はKOTOKOさん、三期はRayさんI've路線で固定になったようです)
全然曲の話をしていませんがTHYMEは既に解散(ソロ名義でボーカルのthymeさんは活動を続けてるようなことがwikipediaには書かれていますが)されているようです。アルバム一枚で両方の主題歌聴けます。

ゆうまお「スイートホームソング」は「あさっての方向。」のEDです。当時、深夜アニメを見る習慣はなかったのですがふとテレビをつけてみたらこの番組の最終回だったかで、OPEDの美しい背景(引退された小林七郎さんの美術でした)とともに強く印象に残り、DVDで追って見た感じです。



線路上をとぼとぼ歩いたり、トタン張りのバス停で雨宿りしたりする女の子のいる田舎の情景に対する憧れのような感覚というのは、現在放送中の「のんのんびより」を見るときに私が抱くものと近いのかもしれません。(実はOPが更に素晴らしいのですが余力があれば。桜美かつしさん最近名前を見かけない気がします)

やなぎなぎ「ユキトキ」もROUNDTABLEの北川勝利さん提供曲で「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の主題歌。北川さん提供といってもいわゆる渋谷系モロの印象ではないと思うんですけど新居昭乃さんにとっての「懐かしい宇宙」のようにやなぎなぎさんの中で最も明るいポップという印象なので今回のセレクトに入れてみました。

坂本真綾さんはかなり迷いました。そもそも最初の核にした「空とキミのメッセージ」や「Hazy」のポイントが優しいギターと女性ボーカリストの趣、ということだったんで、「マメシバ」とかの方がいいのではないかなあと。他の候補には「Remedy」や「光あれ」のようなぐっと大人っぽい方向も考えていて、そこから大貫妙子さんや矢野顕子さんの方へブリッジできればとも思ったんですが、迷った結果「最初期のあどけなさが見える方がいい」という結論で、マメシバより更に年少に感じる「ポケットを空にして」にしてみました。ライブでは定番曲らしいと聞きますし。
元々は「天空のエスカフローネ」のサントラ盤に収録されたイメージソングだったと記憶しています。(そういえば「ブレンパワード」のような出演してないアニメのサントラも菅野よう子さんということでイメージソング歌ってたりすることがありました)


そんな感じで全19曲、1時間22分です。
先日8tracksでフォローいただいた日本のアイドルやアニメの歌が好きっぽい海外の方々のミックスをいくつか聴いていたら90分とか2時間とか余裕であるんですね。
「好きが有り余っちゃった感じだ!」と思ったんですけど、そういうの大事だなあとも思ったので今回は自分へのプレゼント感覚でもあるし、聴いていただく方には大変かもしれませんができるだけ候補を削らないようにしました。
毎回8tracksでミックスを組むときはiTunesでめぼしい曲をプレイリストに入れて、その中から並べ順を考えつつ取捨選択していくのですが、大体候補としては実際に使う倍から三倍くらい、今回だと58曲の中から絞ってこうなった感じです。
単純に「同じアーティストなので三曲以上入れられない」ということで削ることもあるのですが、今回はお二人だけ二曲入れました。中島愛さんとazusaさんです。

お二人はつい最近、音楽活動の休止を発表されました。(中島愛さんについてはあくまで「中島愛」名義での、ということで、それも来年3月までは続くそうです)

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休止は終了を意味する言葉ではありませんが、そうなることもあるのではないか、と不安にさせる言葉でもあります。そんなお二人の今後が続きますようにと応援する意味でもちょっとだけ贔屓して取り上げてみました。
中島愛さんには「ありがとう」や「忘れないよ。」という曲もあるんですが、それだとホントに終わる風なので、むしろ帰ってきた時に迎える「Hello!」という感じでいいのではないか、ということで最後の一曲に持ってきました。(この曲も北川勝利さんの提供です)


ところで、かくいう私の活動は私一人の身だけで何とかなってしまう全くの趣味なので、私が楽しみを感じられてるうちはまだまだ続きます。
このブログもそうですが「ヘッドフォン少女トオルの再生履歴」は私が楽しんできたものの記録なので、後から自分で読んで「あったあった」「思った思った」ということを楽しめればそれで自足できてしまうものでもあるんですけど、同時代に生きてる方が「一個のサンプル」として私を捉えていただいて、それらの記録を「あったあった」「思った思った」と楽しんでいただければいいなあと思っています。

それではX回目の16歳も楽しんで生きたいと思います。4月からはまたX+1回目の15歳に戻るので、来年の12月12日はまた16歳になるトオルをよろしくお願いします。


<追記>
時々ですが、「トオルさんてアニメのキャラだったんですね」というツイートをいただくことがあります。
大体私のツイートをRTなりふぁぼなりしてくださった方を無節操にフォローしていっていますので、「音楽好きだけどアニメやまんがには全く」という感覚でフォロー返してくださってる方も少なくないんじゃないかと思います。
公式ではないのであまりおおっぴらにはできないのですが、言ってみればふなっしー的なスタンスで漫画・アニメ「Aチャンネル」を応援するというか、積極的に楽しんでいくアカウントでもあります。
折に触れ原作の掲載誌(まんがタイムきららキャラット)の発売日をお知らせしてますが、よかったら原作のトオルさんにも触れてみてあげてください。丁寧語で喋ってるシーンが先生との会話くらいしかなくて驚かれると思いますよ。


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